好きで強くなったわけじゃない

処女膜強靭症についての話

長い前置き

 

とにかく痛い。

 

何が痛いって、あれですよ。

あれあれ。

 

好きな人ができるでしょ。

なんとかうまくいって付き合うに至ったとするでしょ。

そしたらあれをするじゃないですか、だいたいの場合。

 

別に子孫繁栄のためじゃないけど。

あれすると、嬉しいというか、安心するというか、

まぁ何て言うか、セックス。

 

 

私にとって問題が発生するのは、世間一般、あるいは人類の始まりから

当たり前または自然とされている性行為の順序において、

最終局面に待ち構えている挿入という行為の局面である。

 

それまではたぶんスムーズにいっている。

というか普通。たぶん。

しかし男性器を私側の女性器に挿入しようとすると、痛い。

すごく痛い。とうてい入らない。

 

分泌液は相当程度出ていると思うし

むしろ、けっこう濡れてるね、とか言われたりする。

(よくそんなこと言えるなエロスの権化か?)

 

でも指一本でも痛い。

男性器が標準より大きかったりすると絶望すらおぼえる。

小さい人だと希望が感じられる。

 

処女というわけではない。

19歳くらいの時に付き合った人と初めてした。

これもだいぶ苦労したし、とても痛かったけど、

最初はそんなものかなとも思った。

 

でも2回目も3回目も同じくらい痛くて、

あまり積極的に挿入まではせず、しばらくしてその人とは別れた。

性行為が問題で別れたのではない。たぶん。

 

それ以降、何人かの人と付き合ったし、結婚も一度したが

挿入に成功したことは一度もない。

 

初体験から十数年が経ち、

ともすれば熟女などと言われかねない年齢になっているのに

まったく熟れていない、ピュア♡性器である。

 

気持ち悪い書き方をしてしまった。

それに別にピュアではなかった。

 

付き合った人の多くが年下で、童貞の人が多かったことや、

挿入行為が苦手な男性を引いてくる能力がなぜか高いことなどから

問題は解決されないままに今に至る。

 

挿入行為のみが苦手な男性、っているんですよ。

EDというわけじゃないし、性欲がないわけでもないんです。

でも入れるとなると、急にできなくなる。

男性版私、みたいな人です。

私以外の女性とも、それだけができない人です。

不思議と惹かれあうものでもあるんでしょうか。

確率を考えると引いてくる率が高すぎます。謎です。

 

 

若いころは非常に悩み、

私は生物として、また女性として欠陥品だと思い、

というか今でもそれは思ってるんだけれども、

精神的にとてもとても大変でした。

 

このことが原因で振られたこともあります。

ひどい。てめぇ、一緒にがんばろうねくらいの意気込みは見せろよな。

まぁもともと私のことがそれほど好きではなかったということなんだろうけど。

 

この年齢(30代後半)になってから、少しずつ楽になってきました。

子どもが欲しいという気持ちは昔からあまりなかったので

まだよかったのかもしれません。

もし、そういう気持ちが強かったなら、

落ちこみすぎて死んでいたかもしれません。

 

 

もういろいろ、いいかな、

楽になっていいか、という気持ちになってきて。

 

でもまたちょっと、好きな人ができてしまった。

 

すごく好きかと言われると、たぶんまだそれほどでもない。

相手も、そこまでの感じじゃない。

 

でも私ってなぜか私にあまり興味がない感じの人が好きで、

つかみどころがないというか、飄々としているというか、そういう人に弱い。

こういうところも私の女としての不幸の始まりかもしれないんだけど。

 

それでその人が少し、こう、寄ってきてくれてるわけです。

 

 

私の信条なのですが、私のこのからだの問題については

付き合う前に話すことにしています。

それでもOKという人とだけ付き合うことにしています。

相手が、身体的な繋がりを大事にしている人だと申し訳ないから。

 

挿入という行為に私はそれほど意味を感じないけれども、

感じる人が多いのだろうし、相手がまた特別そういう人なら

かなしいけれど縁がなかったということで諦めるしかない。

 

相手にも、好きな人と大事な何かを共有する自由、

みたいなものがあるのだから。

 

それに、過去、事前に話さないまま付き合って振られた時に

ダメージが大きかったから、自分を守るためでもある。

 

 

 

前置きが長すぎて自分でもしんどくなってきた。

 

とにかくまた性行為をする必要がでてきたっぽいのです。

このからだの問題を解決してくれる医療機関はないのかと

過去にさんざん探したり試したりしたのですが

真摯に検討してくれるところはありませんでした。

 

ももう一度調べなおしてみたら、

対応してくれるところが少しずつできてきているようなのです。

 

遅い。遅すぎる。

医療界め、やっと私に追いついたか。

 

処女膜強靭症というなんだかすごい名前がつけられ、

保険適用がされることもあるようです。

 

ただまだちゃんと診断できる医師が少なく、

手術は大半が自費で、やっているのも美容外科がほとんど。

 

でも昔は美容外科でさえ診療内容になかった……。

処女膜形成手術なんかはあったけど。

形成ができるなら切りとることもできるだろ、切れ、と思ったけど

経験のない人に闇雲に切ってもらうのも怖いので言ってみたりはしなかった。

 

まぁとにかく診療内容に表記されるようになっただけでも

私にとっては大きな進歩です。

 

そんな中で、婦人科で対応しているクリニックが隣県にあったので

予約を入れてみました。

 

今現在の進捗はここまでです。

まだ診察にも行っていません。

でもすでに手術する気満々です。

 

少しでも処女膜強靭症について認識が広まればいいな、

と思ったのでブログに記録しておくことにしました。

 

精神的な問題を、精神的な問題として扱ってもらえないのはかなしいことで、

現代に入り、医療、福祉、心理、また世間一般においても

人間の精神に対する「見直し」が盛んに行われるようになっていますが

 

身体的な問題を、身体的な問題ではなく

精神の問題としてだけ扱われてしまうのも、

それはそれでかなしいことです。

 

性行為に関することで、そして女性となると特に、

精神的な部分だけが注目されてしまうことが多いように感じます。

 

何かトラウマがあるんじゃないかとか、

無意識の領域で性行為に対して嫌悪感を抱いているんじゃないかとか。

 

現代は、精神を軽視してきた近代への反省が大きすぎて、

「そこしか見ない」ということも増えてきているような。

 

もちろん精神と身体は密接に繋がりあっており、

精神が身体に多大な影響を及ぼすことはとても多いです。

 

しかし逆もしかり。

 

 

 

単にちょっと手術すればいいだけなら、

どんどんしちゃえばいいじゃーん。

 

悩みすぎると本当、自死までいってしまう人もいるような問題なので

これくらいのスタンスでいいと思っています。

 

 

つづく。